2005年07月11日

40歳を超えてから頭はよくなる?―若手より記憶力はいい?−脳力革命(PRESIDENT 2005.7.18号)

 すごく惹かれる見出しを目にしました。『年とともに記憶力が落ちるというのは単なる”迷信“にすぎない。そればかりか、若手の社員よりも、むしろ中堅のほうが”記憶力“がいい。30代、40代だからこそ可能な、”脳力“アップのための7つの秘訣をご紹介しよう。』

 著者は池谷裕二氏。1970年、静岡県生まれ。東京大学薬学部、同薬学系大学院をともに主席で卒業。98年海馬の研究により博士号を取得。近著に”だれでも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法””海馬―脳は疲れない”“進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線”があります。

池谷裕二脳の仕組み.jpg1)若手より中堅のほうが“記憶力”はいい
 総合的な記憶力というのは、実は30代、40代を超えて初めて伸びるといっても過言ではないです。人間の脳の奥深くに『海馬』と呼ばれる部位があります。最近の脳科学の研究によって、実は海馬の神経細胞というのは、脳を鍛えれば鍛えるほど増殖することがわかってきました。ロンドンのタクシー運転手は、ベテランになればなるほど海馬が発達していることが明らかになっています。

 加齢とともに記憶力が低下したように錯覚している人がいます。脳の『ワーキングメモリー(短期的な記憶をするメモリー)』を使って一度に覚えられることは、せいぜい7つか8つしかありません。中間管理職の方の場合、会社の将来・部下のこと・家族のことなどでワーキングメモリーが常時満杯状態です。ワーキングメモリーを自分専用に使えないために脳が消化不良を起こしているだけで、メモリーの性能自体が落ちたわけではないのです。

 重要なのは、年を取ると記憶力が低下するのではなく、若いときとは得意とする“記憶の種類が変わる”という点です。物事を関連づけて記憶する理論的な記憶が得意になってきます。理論を覚えると、その理論をさまざまな分野で応用することが出来ます。つまり理論的な記憶を得意とする中堅のほうが総合的には“記憶力がいい”といえます。

池谷裕二海馬.jpg2)職場では大いに自慢話を聞かせたほうがいい
 海馬のすぐ隣にある直径1cmほどの球形である扁桃体は情動によって活性化します。扁桃体が活性化すると、記憶の司令塔のである海馬も同時に活性化します。生物学的に言えば、危険な状況を危機感(という情動)とともに確実に記憶できた生物だけが生き残ってきた(危険を回避してきた)といえます。このように、情動を伴う記憶には長く脳のなかにとどまるという性質があります。暗記をする必要が生じたら、感情とともに記憶するよう心がけるのです。

 偉大な経営者のなかには、仕入れた知識をあたかも自分が発見したことのように、とくとくと話す人が多いのです。このとき、単なる『意味記憶』が情動と絡みついた『エピソード記憶』へと変換するのです。このように記憶の階層システムという点から見ても、エピソード記憶にすぐれた中堅のほうが、若手よりも“記憶力がいい”といえます。部下への自慢話は大いにすべしといえるのです。

池谷裕二進化しすぎた脳.jpg3)仕事は区切りの『悪いところ』でやめたほうがいい
 たとえば、じゃんけんをしているとき、チョキを出しながら、一方で呼吸数や心拍を維持する指令を出しつづけなければなりません。つまり、私たちは知らず知らずのうちに、脳の“無意識の領域”に膨大な量の仕事をさせているといえます。そこで、たとえ1ヶ月後にやればよいような仕事であっても、前もってチラリと書類に目を通しておきます。すると1ヵ月後無意識の領域でしっかりと仕事を処理しているので、抵抗感なくその仕事にとりかかれるのです。つまり、区切りまでやってそこからもう一歩だけ進めてやめると、次にその仕事をスムーズにはじめられます。

4)眠っている間にも仕事をするコツがある
 浅い眠りのレム睡眠で夢をみます。人間は外界からの情報を一時的にブロックして、脳内の情報整理に集中するために睡眠を必要としていると考えられます。このとき、最適な睡眠時間のためには、レム睡眠を何回とるか考えるのがコツです。著者は1.5時間の倍数の睡眠時間をとり、最低6時間以上眠ります。

5)集中力のないほうが独創性は生まれる
 何かに集中するということは、視野を狭くすることにほかなりません。創造力が高い人は、集中力ではなく“分散力”の高い人なのです。

6)『朝令暮改』はどんどんしたほうがいい
 脳の神経細胞は繋がったり切れたりすることで、記憶したり忘却したりするのです。脳の神経細胞は、外から入ってくる刺激が多いほど、良く繋がることがわかっています。一方で、脳の可塑性の観点のひとつから、自分がいつも同じではないのだということを心にとめておいたほうがいいのです。

7)スランプのときこそ仕事の力は伸びている
 脳には『側坐核』というやる気を生み出す部位があり、アセチルコリンというやる気のもととなる神経伝達物質を出します。実際に仕事をやり始めると、側坐核が興奮して、本当にやる気が出てきます。これを『作業興奮』とよびます。

 たとえば自転車の乗り方を覚えると忘れない−これを手続き記憶といい、勉強をすると手続き記憶が相乗作用を起こして理解をいっそう深めます。つまり、凡人でもたゆまぬ努力を続けていけば、爆発的に能力がアップする瞬間が必ずやってくるのです。天才とは努力不足の人が生み出した言い訳にすぎません。

 インパクトのある話ですよね。加齢とともに記憶力が落ちていくという”常識”にとらわれていたので驚きました。日々脳を賢くしていきたいと前向きな気持ちになりました。

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 次回は1週間以内に更新の予定です。
posted by エムストーン at 13:21| Comment(0) | TrackBack(1) | 教育・スキルアップ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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